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オーストラリアでのダイエットと「痩せる注射」オゼンピックやマンジャロの危険性について

2025-10-24

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オーストラリアでのダイエットと「痩せる注射」オゼンピックやマンジャロの危険性について

海外生活は太る?

日本からオーストラリアに来ると、食生活の違いで、体重がみるみるうちに5キロくらいは増えてしまうことが本当によくあります。海外で生活をしていると、一回の食事の量も多いし、残すのも悪いし、周りの人たちに合わせて食べ過ぎたり、節約のためについつい安価なジャンクフードに走ったりもしがちです。日本人にとって慣れ親しみのない食生活の中でどうにか幸せを得ようとすると、満足感を満腹感に置き換えるしかないのでやっぱりお腹いっぱい食べてしまうことになります。
若者の場合はそれでも、帰国してヘルシーな日本食に戻ると体重も落ち着いてくるので、そんなに心配はいらないと思います。オーストラリアに長く滞在する場合でも、一日三食しっかり健康的なお野菜多めの食事を摂りつつ、おやつや夜食、お酒を控えて、毎日体重計に乗りながら一日20分ほどの運動習慣を取り入れていけば、そのうち体重も減ってくるはずなのできっと大丈夫です。

「痩せる注射」の危険性

ただ最近、日本の留学生から、痩せる注射、マンジャロやオゼンピックの処方について相談されることが増えてきており、とても懸念しています。
スタイルが良く、美容体重だったりする子達でも、こちらに来てから体重が増えたから、と処方をお願いされたりします。日本では今流行っていて周りの友達も使っているから、ちょっとお高いけれどもなんとなく試してみようかな、と思ってしまうようです。

けれども、これらのいわゆる痩せる注射は、あくまでも肥満体型の方や糖尿病の患者さんの治療に使われるものであって、標準体型の方が使うのはとても危険です。色々な副作用も報告されています。肥満体型の方でも、減量に成功して標準体型になった時点で投薬は中止するべきお薬でもあります。痩せている方への不適切な服用は、生理が来なくなったり、肌や髪や骨がボロボロになったり、免疫力が落ちて病気がちになったり、栄養失調になったり、拒食症になったり、将来妊娠できなくなったりするリスクがあります。そして、薬を止めると体重は大体リバウンドしてしまうので、瘦せていないと、という強迫観念に囚われるとずっと注射が手放せなくなってしまいます。

オーストラリアで体重を落としたい方へ

標準体型で、医学的に見ても体重を落とさないでいい方が、気持ちが悪くなって美味しい食事を楽しむことが出来なくなるような薬をあえて体内に入れる必要はありません。無理なダイエットや良くない注射に頼らずに自分を大切にしてあげてほしいと心から思います。

それでもどうしてもオーストラリアでダイエットを成功させたい!と思う方は、肥満外来の専門の医師や栄養士さん、運動療法士さんのサポートのもとに、健康的な減量を提案することが可能ですので、ぜひ当院までご相談ください。

吉田まゆみ医師 🇦🇺 🇯🇵 🇺🇸 🇬🇧

Dr Mayumi Yoshida

吉田まゆみ医師 🇦🇺 🇯🇵 🇺🇸 🇬🇧

MBBS, BMedSci, MRCGP, DFSRH (UK), FRACGP (Australia), ECFMG(USA)

福岡県福岡市出身。16才の時に渡英。2003 年に英国ノッティンガム大学医学部を卒業、イギリスの医師免許を取得。2007年にアメリカの医師免許資格(ECFMG Certificate)を取得。2014年に英国オックスフォードで総合診療医/GP課程を修了、イギリスとオーストラリア両国のGP資格を保持する。2024年に日本の医師国家試験に合格し、現在イギリス、アメリカ、オーストラリア、日本の4か国における医師国家資格を有する。